24章 〈 エピソード2 〉 |
フェニックステレビのディレクターのクロサキは一週間後、低迷していたドラマの視聴率が10パーセント以上も跳ね上がったことで悩んでいた。
あの日、何があったのか記憶があいまいなのだ。
ケイリー・デイジーの件でドラマが中断しかけたのを、ショウが登場してゲストが急遽変更になり、大きく話題になったことで注目を浴びた。
だが、なにか大切な宝物を見つけたはずなのに、忘れてしまっている自分に悩んでいた。
一緒にいた監督も、カメラマンにも聞いてみたが、みな、一様に同じ表情をするのだ。
「どうして思い出せないんだ?」
悩みながら、クロサキはラグたちと出会ったこと。
いつしかそれさえも忘れていくことになる。
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